War of the Worlds (宇宙戦争)(2005)

Director: Steven Spielberg

Cast: Tom Cruise, Dakota Fanning, Miranda Otto, Justin Chatwin, Tim Robins, & more

Summary: Ray Ferrier is a working class man living in New Jersey. He's estranged from his family, his life isn't in order, and he's too caught up with himself. But the unthinkable and, ultimately, the unexpected happens to him in an extraordinary sense. His small town life is shaken violently by the arrival of destructive intruders: Aliens which have come en masse to destroy Earth. As they plow through the country in a wave of mass destruction and violence, Ray must come to the defense of his children. As the world must fend for itself by a new and very advanced enemy not of this world, its inhabitants must save humanity from a far greater force that threatens to destroy it. (IMDb)

湾岸労働者のレイ・フェリアーは離婚した妻との子供たち、レイチェルとロビーを預かるが、子供たちに対してあからさまに悪態をつく。翌朝、その町に奇妙な稲妻が数十回も同じ場所に落ちる。レイは多くの野次馬たちとともに落雷した場所を見にいくが、その地中から殺人マシーン・トライポッドが出現し、レーザー光線で人々を皆殺しにする。なんとか逃げて生き延びたレイは、盗んだ車にレイチェルとロビーを乗せて町を出る。悪い父親だったレイも、子供たちを守ろうと必死に奔走する。しかし、トライポッドは世界中に現れては町を破壊しており、どこにも逃げ場はなくなっていた。(Wikipedia)


映画館に家族で観に行ったけど、一回観ただけじゃよくわからなかった映画。と言うのも、話の内容に気を取られすぎていたからなんですね。私は原作を読んだ事が無かったので、話についていくのに精一杯。でも話自体はとても単純なものだったから終わった後に「なんだ、こんな話か」とがっかりしてしまったんでしょう。してしまったんではないかしら。他の不満タラタラだった観客と同様、元来の「宇宙戦争」に対する固定観念で、パニックものの娯楽映画だと思ってたのかも。

原作の話の流れは単純です。宇宙人だか地底人だか(よく知りませんが、宇宙人が地底に隠していたトライポッドで暴れ出したんですかね?)が地中からいきなり地球上に現れて、地球人に襲い掛かる。でも結局免疫の無い細菌によって自滅してしまう。。。といった内容。これはあまりにも有名ですね。ラストは知らなくても、”ラジオドラマをニュースと勘違いした”というエピソードなら知っているはず。しかし!それだけでは30分で終わってしまいます。スピルバーグ監督は、登場人物の心理描写を細かく追及することでその穴を埋めたわけです。映画公開直後の講評ではボロクソ言われてましたが、パニック映画として見れば確かに期待はずれだったかもしれません。でもね、改めて見てみると、その心理描写というか、父の葛藤と成長がよく表れているんです。序盤のイントロ部分、あれだけでダメな父というのがわかります。息子も娘も居るのに、安月給の肉体労働。家の中も散らかりっぱなしで、別れた奥さんからは尚も呆れられていて。。。普段のトム・クルーズの様子も手伝って(笑)、最後の良い父っぷりが引き立つんじゃないですかね。ニュージャージーの海岸沿いって、マンハッタン島に近いのに田舎ですしね。田舎というか、普通です。

父が娘(ダコタ・ファニングちゃん)に歌を歌ってあげるシーン。そして、それから起こる、非人道的だけど生きるために起こらなければいけない出来事。ここの画が綺麗で好きです。悲しいから、辛いからといって暗い画になるわけじゃなく、娘・レイチェルのカラフルな衣装に光が当たって綺麗でさえある。ダコタちゃんの演技も素晴らしいです。あのコすごいです。

一度でわからなければ悪い映画、というわけでもないようで、(シックスセンスなんかは良い例ですよね)一度でわからせるのも技術、二度、三度と見るたびに新たな発見があるというのも映画の良さじゃないかなと思います。とりあえずこの映画はパニック映画としても十分迫力ありますしね。

(December, 2006)